遊☆戯☆王 / 遊戯王 / Yu-Gi-Oh! / Yu-Gi-Oh! Season Zero / 初代遊戯王 / 東映版遊戯王

遊☆戯☆王 / 遊戯王 / Yu-Gi-Oh! / Yu-Gi-Oh! Season Zero / 初代遊戯王 / 東映版遊戯王

『遊☆戯☆王』とは高橋和希の漫画『遊☆戯☆王』の最初のアニメ化作品。1998年にテレビ朝日系列で放送された。原作における「学園編」から「RPG編」までが描かれた。後に2000年から放送されるシリーズと違いカードゲームが中心では無く原作初期で描かれた『闇のゲーム』を軸にしたダークヒーロー要素を持った物語が展開される。

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遊☆戯☆王 / 遊戯王 / Yu-Gi-Oh! / Yu-Gi-Oh! Season Zero / 初代遊戯王 / 東映版遊戯王
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非暴力を一貫したジャンプ漫画の主人公の成長・出会い・別れ

週刊少年ジャンプにて1996~2004年まで連載されていた、ゲームを題材にした漫画。アニメは2期放送、映画も2作品上映された。外伝漫画・小説・ゲームも出ており、メディア展開も豊富。

内向的な主人公の遊戯は、祖父がエジプトで見つけた「千年パズル」を8年がかりで完成させたことで、もう1つの人格(作中では「もう1人の遊戯」だがゲーム版で使用された「闇遊戯」も浸透している。本来の名前は「アテム」)に覚醒し、悪党を闇のゲームで打ち負かす。物語当初は、アテムの事を認識していなかったどころか部分的な記憶喪失状態となっていたのだが、謎の人物「シャーディー」からもう1人の自分の存在を聞かされ、一時は不安になるも彼の存在を恐れず受け止めるようになり、そこから少しずつ成長する。やがて千年パズルを完成した者が背負うべき使命を知り、不穏な事情に巻き込まれていく。

最初は闇のゲームを仕掛けて悪党を懲らしめる1話完結スタイルだが、「海馬瀬人」との勝負で遊んだカードゲーム「M&W」が好評だったこともあり、カードゲーム主体となっていく。…が、実際にカードゲームが主体だったのは「決闘王国編」「バトルシティ編」「DEATH-T編終盤」であって、「学園編」「DEATH-T編(終盤以外)」は多種多様のゲーム、「DDD編」「TRPG編」「古代編」はボードゲームを主体にした話もしており、最初からカードゲーム漫画と言う訳ではない。勝負のシーンでは(カードゲームに限らず)時々言ったもの勝ちな展開はあったものの、駆け引きの熱さや演出は一読の価値あり。原作者・高橋氏のデザインの引き出しは豊富であり、クリボーやパズーといった可愛らしさを重視したデザインからブルーアイズやゴッドオーガスのような圧倒的強さを感じさせるデザインまでバリエーションが凄い。

また重要な要素として友情がある。レギュラーキャラの1人「城之内克也」は、遊戯について自身の孤独だった過去を思い出させるため、ろくでなしの自覚はあったものの嫌がらせを繰り返していた。しかし、風紀委員の立場であるのを良い事にカツアゲ同然の行動を平然と行う不良上級生を相手に、真っ向から反論するどころか自分たちを庇う遊戯の姿勢を見て以降、態度を改め唯一無二の親友となる。バトルシティ編での「大好きだ」の一言は様々な思いがこもっており、涙を誘う名シーンであろう。時に遊戯を励まし、時に叱咤するので、彼の成長は城之内の言葉もかなり大きい。主人公を虐める嫌な奴ではあるが、態度を改めてからは筋を通しているので、この手のキャラクターとしては恐らく好意的に見られている珍しいケース。
もう1人忘れていけないのは「アテム」。最初は認識しておらず、部分的な記憶喪失やシャーディーから存在を聞かされて不安になるが、城之内達の励ましで克服してから存在を受け入れ、紆余曲折あったものの決闘王国編以降は強い絆と信頼を築き上げていき、その絆は城之内ですら「かなわない」と思わせるほど(城之内も初期から友情の積み重ねがされているのだが、それすら超えるものがある)である。しかし彼の素性が明らかになるにつれ(古代エジプトのファラオなので当然故人である)、覚悟を決めて冥界へ送る決意を固めた遊戯の姿は泣かずにいられなかった。

最後に、遊戯は「僕、喧嘩とか暴力大嫌い!」と豪語しているように、最終回まで一切の暴力を振るわず喧嘩も吹っ掛けてこなかった、ジャンプ漫画では珍しい主人公である。戦い嫌いの主人公は多々あれど、一切の暴力を行使しないのはそうそういないであろう。