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救いのない最後は今でも忘れられないほど衝撃的でした
キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした映画なので、宗教的要素が映画の背景になっています。新人刑事のブラッド・ピットともうすぐ定年になるモーガン・フリーマンの2人が、猟奇的な犯人を追いかけるストーリーになっています。異常な殺され方が画面に広がると、思わず目をそむけたくなります。犯人は最初は姿形が分からず混迷を深めますが、途中で大胆にも2人が捜査している現場に登場してきます。宗教的な知識がなくても、不気味さは十分伝わってきます。ブラッド・ピットの家庭での生活も現れますが、見事な伏線になっているのが後になって分かります。最初はブラッド・ピットはモーガン・フリーマンの言うことは聞き入れませんが、一緒に操作を続けていると仲間意識がわいてきます。全体的に画面が暗く、陰湿な場面が多いのがこの映画の特徴です。見ていくうちにどんどんストーリーに引き込まれてしまいます。最後は犯人をとらえますが、ある場所に移動して、時を待ちます。宅配便のトラックが現れてブラッド・ピットに荷物を手渡しますが、中身は衝撃的なものが入っていました。直接画面には映し出されませんが、ブラッド・ピットの驚き、悲しみ、怒りは十分共有できます。最後の行動は刑事としては失格ですが、人間としては当然の行動だと思いました。あまりに衝撃的だったので、今でも頭に浮かんできてしまいます。