閏年。東京事変再生。
東京事変は、椎名林檎(ボーカル)、亀田誠治(ベース)、浮雲(ギター)、伊澤一葉(キーボード)、刃田綴色(ドラムス)の5人からなる日本のバンドグループだ。2003年に活動を開始したが、2012年の日本武道館での公演を最後にファンに惜しまれながらも活動を休止。ところが、2020年の閏年に東京事変は再生したのだ。彼らにとって特別な日であろう2月29日(閏年)に再生後初となるライブを決行。しかしコロナ禍で多くのアーティストがライブを中止するという判断をしていたため、東京事変の決行の判断により炎上した。ボーカルの椎名林檎を先頭に、東京事変は常に時代や社会に流されない彼ら独自の道を走って来た。今回も彼らにとっての特別を優先してしまったのだろう。今回は、人の命に関わる問題であったため彼らの逆境に立ち向かう強さが裏目に出てしまったと考えられるが、彼らの魅力溢れる音楽の素晴らしさに変わりはない。東京事変の音楽は非常にジャンルに富んでいる。その中でも多くの楽曲に共通しているのは、“今”の重要性を訴えるものだ。例えば、『閃光少女』という楽曲の「今日現在を最高値で通過しようよ」という歌詞、『勝ち戦』の「思い出迷子は負けの始まり 今を実感するものだけが勝つ」という歌詞。椎名林檎の深みのある歌詞と4人のメンバーが奏でる音がかけ合わさり、自分の人生を見直すきっかけや勇気を与えてくれる。そんな大人の本気が詰まったプロ集団だ。