BASARA

BASARA

「BASARA」(バサラ)とは田村由美による漫画作品。暴君が支配する日本にて、日本を救う運命の子供が誕生する。しかし運命の少年・タタラは国王の末子の赤の王に殺され、代わりに双子の妹・更紗がタタラを名乗り立ち上がった。日本を救う革命家として、白虎の刀を携え、残りの朱雀・青龍・玄武の刀の継承者を探す旅に出るタタラ(更紗)。仇とは知らずに朱理(赤の王)と偶然出会い、互いの正体を知らずに惹かれ合っていく。

rhetoric8のレビュー・評価・感想

BASARA
10

戦う少女漫画

舞台は未来の日本。ところがSF要素は皆無で、移動は馬、連絡手段は鳥。“文明が滅びた後の”という時代設定にまず驚かされます。
国王の圧政に苦しむ中、西の地に運命の子と予言された双子の兄妹が生まれるところから、物語は始まります。

主人公の少女更紗は、ある出来事をきっかけに、兄タタラのフリをして復讐の旅を始めます。そして出会いや別れ、成功や失敗を繰り返し、成長していきます。単なる復讐だった目的はやがて、日本を変えたいという大きな野望へと変化し、日本各地の人々を巻き込む大きな流れとなっていくのです。

それだけ聞くとザ・少年漫画に聞こえるかもしれませんが、恋愛もメインになっているのはさすが少女漫画。更紗は朱理という少年と惹かれ合っていくのですが、それは許されない(と思い込んでいる)恋でした。真実を知り、どん底を味わった二人がどのように成長し、どのような結末を迎えるのか。涙なしでは読めません。

また、本編と並んで素晴らしいのが外伝です。ラスト2巻は、ご先祖の話や本編のその後が描かれます。めでたしめでたしで終わらせないところに、リアリティーを感じます。魅力的なサブキャラクターが多いのも見所です。ぜひ最後まで彼らの生きた証を見届けてください。

この作品は名言が多いことでも有名です。必ず心に響く言葉が見つかると思います。読み終わる頃には自分も一緒に成長出来ている、そんな作品です。ぜひご一読ください。