神々の山嶺

神々の山嶺

『神々の山嶺』(かみがみのいただき)とは、夢枕獏による小説、およびそれを原作とした漫画、実写映画、劇場版アニメ作品。原作小説は1994年から1997年にかけて『小説すばる』誌上で連載され、1997年8月に上下巻が刊行、のちに文庫化された。さらに角川文庫では一巻本として刊行されている。2000年から2003年にかけては、『ビジネスジャンプ』誌上で谷口ジローによってコミカライズされた漫画版の連載がなされ、2001年に第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、2005年には第32回アングレーム国際バンド・デシネ・フェスティバル最優秀美術賞を受賞した。2015年には岡田准一を主演に迎えた実写映画版、2021年には漫画版の映画化権を手に入れたジャン=シャルル・オストレロにより、フランスでアニメーション映画化されている。劇場版アニメは、第47回セザール賞アニメーション映画賞並びに第27回リュミエール賞最優秀アニメーション賞を受賞した。
45歳以上のメンバーでエベレスト踏破を目指していたものの頓挫したカメラマンの深町は、ネパールのカトマンズで年代物のカメラを手に入れる。それはエベレスト登山史上最大の謎とされている、ジョージ・マロリーの登頂の成否が記録された遺品だった。しかしそのカメラを盗まれてしまった深町はその行方を追ううちに、かつて日本国内で数々の登攀記録を打ち立てながらも、ヒマラヤ遠征で事件を起こし姿を消した羽生丈二という登山家と出会う。エベレストという世界最高峰の山をめぐる人間ドラマと、「ジョージ・マロリーはエベレストに登頂したのか」という実際の登山界の謎を絡めたストーリ―展開が人気を博した。

ootanatukiのレビュー・評価・感想

神々の山嶺
10

エベレストに全てを賭けた男の物語

登山を題材にした漫画作品は多いが、神々の山嶺の羽生丈二ほど、山に対してストイックな登場人物はいないだろう。
羽生は登山をする中で、未踏破ルートを登ることに命を賭けている。第一登頂者こそが価値のある人間であり、第二登頂者以降は全て模倣者という考え方を持つ彼は、世界でも名だたる危険地帯に足を踏み入れていく。

そんな羽生に惹かれ、彼のことを調査し始めたのが今作の主人公、深町誠である。深町はエベレスト登山隊にカメラマンとして同行した男だ。エベレスト登頂に失敗し、隊を離れた深町はネパールの首都、カトマンズにいた。

カトマンズはヒマラヤ山脈登山者の拠点となる都市で、多くの登山者やショップが存在していた。とある中古登山道具取り扱い店に入った深町は、伝説的なカメラを手にする。かの有名なセリフ「そこに山があるからさ」を言ったジョージ・マロリーのカメラである。

マロリーのカメラを通して羽生と繋がった深町は、その後の人生を大きく変えることになる。

この作品の最大の魅力はなんと言っても羽生の山への情熱だ。登りたいという強い思いが、不可能と言われる未踏破ルートを攻略していく。
その思いは深町にも伝わり、彼を変えていくのだった。

素晴らしい作品です。
魅力溢れる羽生と深町のキャラクター、続きが気になる引き込み力の高さ。まさに名作であります。