氷菓のレビュー
この作品は神山市にある高校が舞台の青春ミステリーとなっています。ある高校に通っている折木という男子高校生が主人公で、彼が探偵役となることが多いです。彼や彼が所属する古典部の部員たちが、日常に潜む事件を解決していくという物語となっています。作品の特徴としては、絵がとてもきれいです。なので日常の何気ない風景でも見入ってしまいます。また先にミステリーと言いましたが、この作品では殺人事件などの大きな事件は少なく、興味がなければ見逃してしまうような日常の中にある小さな事件が多いです。それでも、事件を解決していく過程はとても見応えがありワクワクします。また、登場人物が魅力的なので、古典部員同士の何気ない会話でも見ていて楽しいと思います。折木はよく部員の一人である千反田によって半ば強制的に事件に巻き込まれていくのですが、その場面もクスリと笑ってしまうと思います。物語はほろ苦く、見ていてどこか哀しい気持ちになると思います。登場人物たちの複雑な感情であったり、それぞれが抱える悩みなどが表現されているため、より身近に感じ作品に没入できるのではないでしょうか。主人公たちは高校生なので、高校生の人たちに見ていただきたいと思いますし、それ以外の人が見ても楽しめる作品だと思います。