くもりときどきミートボール

くもりときどきミートボール

『くもりときどきミートボール』とは、ジュディ・バレット作の絵本、およびそれを原作とする3DCGアニメーション映画作品。
発明家を夢見る主人公のフリント・ロックウッドが水を食べ物に変える画期的なマシンを開発する。以降、町には大量のチーズバーガーやドーナツ、ステーキなどの食べ物が大量に降ってくるようになり、そこから巻き起こる騒動を描いている。主人公のフリントが自身の発明を通して、町の人々や家族と心を通わせる物語である。空から降ってくる様々な食べ物を3DCGで見事に表現している。

tsukikaeriのレビュー・評価・感想

レビューを書く
くもりときどきミートボール
8

食いしん坊必見の笑って泣けるアニメ映画

とにかく視覚的に楽しい。アイスクリームの雪原で雪合戦とかドでかいホットケーキ(メイプルシロップ+バター付き)が降ってくるとか、食いしん坊ならたまらない空想が実現してヨダレがとまらない。
本作のテーマはモラトリアムニートの青年と不器用な父親の親子愛であり、素の自分を特別と認めてくれる存在の大切さに気付かされる話である。
子供は食べ物で街中埋め尽くされる夢のようにカラフルで楽しい映像に大喜びだし、大人は大人でフリントやサムのままならない承認欲求や劣等感、親とのすれ違いに共感する。
そして伏線の散りばめ方が非常に上手い。フリントが過去に発明した作品、一つ一つにちゃんと意味があり、後の展開で重要なアイテムとして生きてくる。
その事実によって、失敗作と決め付けられた作品も決して無駄じゃなかったというメッセージが輝く。
この物語はダメな人間への優しいまなざしが溢れてる。
ひとりぼっち、はみだしもの、変人……そんなレッテルを貼られ白い目で見られがちな人の背中を、「いいじゃないそれで」と押してくれるようなポジティブさがある。
各国に対応したソウルフードが降ってくるユーモアにもくすっとした。万里の長城をおみくじクッキーが直撃してからの二段オチなど、演出が本当にこっている。