善と悪の逆転
『眠れる森の美女』で、オーロラ姫に呪いをかける悪い妖精マレフィセントが主人公です。
このお話では彼女が呪いをかけた理由は、オーロラの父にあたる王から手ひどい裏切りを受けたことにあった、ということになっています。
つまりは、一般的な善と悪が逆転する物語なのです。この映画では、オーロラの父は悪役にしか見えません。善は本当に善なのか、悪は本当に悪なのか。物事はいろいろな方向から見る必要がある、ということを教えてくれているように思えます。
オーロラのことを憎んでいたマレフィセントが、無邪気なオーロラの言動にほだされて、少しずつ母性を目覚めさせていく過程は微笑ましいです。ついにマレフィセントは、自分の呪いを無効にしようとするのですが、それは叶いません。その場の感情でしてしまったことであったとしても、取り返しのつかないことはあるということですね。でもマレフィセントが真にオーロラのことを思っていたことは、呪いを解く「真実のキス」がマレフィセントからもたらされたことで証明されました。
本筋とは関係ないのですが、オーロラがマレフィセントに「フェアリーゴッドマザー」と呼びかけた時、『シンデレラ」のフェアリーゴッドマザーとのあまりのキャラの違いにおかしくなってしまいました。マレフィセント自身、びっくりしていたので、なおおかしかったです。