手に汗握る展開
始まりは、半地下に住む家族の日常風景からです。韓国では、貧富の差が激しく、半地下というのは低所得者をイメージさせるものだそうです。最初は、家族のコミカルな会話や展開に、ずっと笑っていました。お金はなくても全員仲が良く、楽しそうな暮らしをしている、と思ったのです。しかし、長男が経歴を詐称して、とある富豪の家で家庭教師として働くところから、どんどんおかしな方へと進んでいきます。私は、ここからもう目が離せませんでした。あれよあれよという間に、巧みな話術と作戦で、富豪の家庭を侵略していくのです。妹、父親、母親。半地下の家族全員が、いつの間にか富豪の家で働くこととなり、全員が収入を得ることができるようになりました。富豪の家族たちがキャンプへ出掛け、今夜は返ってこないことを知ると、半地下の家族たちは富豪の家で宴を開くのです。しかし、こんなうまい話が長く続くわけがありませんでした。外では大雨。遅い時間にインターホンが鳴ります。画面の向こうに映るのは、元家政婦。忘れ物をしてしまった、取りに行きたい、と懇願します。忘れ物を取りに行くくらいなら、と半地下の家族は、元家政婦を家に入れました。なぜ元家政婦がこんな夜に?なぜ大雨の中ずぶぬれで?ここから、物語は急展開を迎えます。人間の良く、家族愛。美しくも悲しい、半地下の家族の物語でした。