ハチミツとクローバー / ハチクロ / Honey and Clover

『ハチミツとクローバー』とは、2000年6月号から2001年7月号まで『CUTicomic』(宝島社)、2001年11月号から2005年11月号まで『ヤングユー』(集英社)、2006年2月号から9月号まで『コーラス』(集英社)で連載された、羽海野チカによる恋愛漫画。本作は羽海野のデビュー作である。
何度も掲載雑誌が休刊し、移行する際に内容をおしゃれ系学園コメディから大人の女性向け恋愛漫画に変更した。コミックスは全10巻刊行され、2008年時点で累計発行部数は850万部を超えた。
物語は芸術大学を舞台にした学生たちの恋愛や才能への葛藤などを描いている。
2003年に「第27回講談社漫画賞」の少女部門を受賞し、2006年と2007年に「このマンガがすごい!」で連続第1位を獲得した。テレビアニメは2005年4月から9月まで、2006年6月から9月まで放送された。実写映画は2006年7月22日に公開され、竹本祐太(たけもとゆうた)役を櫻井翔が、花本はぐみ(はなもとはぐみ)役を蒼井優が演じた。

shiro1011のレビュー・評価・感想

ハチミツとクローバー / ハチクロ / Honey and Clover
10

全員片思い!ハチミツとクローバーの世界

羽海野チカ先生の「ハチミツとクローバー」は美術大学生の5人を主要人物として描かれる恋愛漫画ですが、なんと全員片想い。しかも、全員三角関係、四角関係と複雑にキャラクター達の恋心が絡み合っています。最終的に好きな人と結ばれるのは1組なので、一言で語ってしまうとただただ悲しい物語のような気がしますが、読み終えた後は爽やかで、ああいい恋愛ができてよかったねと主要人物たちに語り掛けたくなる、不思議な魅力をもった作品です。なぜこうにも爽やかなのか。その理由の一つとしては、ただ恋愛の過程が描かれるだけでなく、片想いを通してそれぞれが成長していく過程が丁寧に描かれているからだと思います。
主人公の竹本君は4年間想いを寄せていたはぐちゃんに振られてしまうのですが、彼女の天才的な芸術の才能に触れたことで、平凡である自分と徹底的に向き合い最終的に納得のいく進路へ進んでいきます。就職先に向かうため、新幹線に乗って出発を待っていた竹本君をはぐちゃんが追いかけてきて、食パンを何枚も重ねた大きいサンドウィッチを渡すシーンがあるのですが、サンドウィッチの一層ごとに四葉のクローバーが入っていることに気づくシーンはハンカチなしでは読めません。