荒野の七人

荒野の七人

『荒野の七人』(原題:The Magnificent Seven)とは、1960年に公開されたアメリカ合衆国の西部劇映画である。
監督はジョン・スタージェス、脚本はウィリアム・ロバーツが務め、ユル・ブリンナーやスティーブ・マックイーンなどが出演した。本作は黒澤明監督の日本映画『七人の侍』(1954年)の舞台を西部開拓時代のメキシコに移して描いたリメイク映画であり、イーライ・ウォラック率いる盗賊団からメキシコの小さな村を守るために雇われた7人のガンマンたちの姿を描いている。のちに『続・荒野の七人』(1966年)、『新・荒野の七人 馬上の決闘』(1969年)、『荒野の七人・真昼の決闘』(1972年)といった続編が制作されたほか、2016年には本作のリメイク作品である『マグニフィセント・セブン』も公開された。
国境を越えたメキシコの寒村イズトラカンは、毎年刈り入れの時期になるとカルベラ率いる盗賊に作物を奪われ、苦しめられていた。今年は作物だけでなく村人が1人殺されたことから、ミゲルは長老に相談し、盗賊と戦う銃を買うために金を出し合ってテキサスへ向かう。テキサスの辺境の町では、行き倒れた先住民の死体を葬ろうとする行商人たちがいたが、町で禁じられている先住民の埋葬を恐れて誰も霊柩車の御者を引き受けずにいた。そこにガンマンのクリスが御者として名乗り出て、もう1人のガンマンのヴィンも助っ人として加わる。2人は狙撃者からの銃撃を素早い銃さばきで退けながら墓地まで死体を運び、難なく埋葬を済ませた。その冷静な対処を目撃したミゲルたちから「銃の買い方と撃ち方を教えてくれ」と懇願されたクリスは、「銃を買うよりガンマンを雇った方が良い」と助っ人を引き受け、ヴィンもこれに協力を申し出た。
村の全財産を合わせても1人わずか20ドルの報酬にしかならなかったが、せめて7人は必要であることから町を探し回り、儲け話に目がない旧友ハリー、歴戦の強者である怪力のベルナルド、投げナイフの名人ブリット、凄腕の賞金稼ぎだが追われる身のリー、そして勝手についてきたガンマン志望の若者チコを仲間に加える。こうして集まった7人の凄腕ガンマンたちは村へと赴き、村人たちとの交流を経てカルベラ一味を迎え撃ち、一度はこれを撃退する。その楽観的な雰囲気の中でチコは村娘ペトラと惹かれあっていく。しかし、追い詰められたカルベラたちが是が非でも食料を奪おうとしていることが明らかになり、皆殺しを恐れた村長ヒラリオの裏切りによって、一味は村へと引き入れられてしまう。
カルベラによって一時的に村から追い払われた7人だったが、村人たちの苦渋の決断と受けた侮辱に対し、盗賊を追い払うための壮絶な決戦へと挑む。激しい戦いの末、生き延びたガンマンたちに長老は「農民が勝った。あなた達は大地の上を吹きすぎていく風だ」と声をかける。クリスたちと旅立とうとしたチコだったが、ペトラのもとへ駆けていき農民として生きることを決意する。仲睦まじく農作業をする2人の姿を見たクリスは、「勝ったのは俺たちではない。農民たちだ」と笑い、ヴィンと共に荒野へと去っていった。

ねここねこのレビュー・評価・感想

荒野の七人
10

荒野の七人

言わずと知れた、黒澤明の「七人の侍」ハリウッド版。とてもよく出来ている。時代劇を西部劇にしても何の違和感もない。
この映画の撮影当時、有名な俳優は「王様と私」のユル・ブリンナーと山賊のリーダーを演じたイーライ・ウォラックの二人だけで、その他の俳優は殆ど無名だったため殆ど話題にもならずむしろ不評だった。あの「王様と私」のブリンナーが西部劇に出るとはと言われ馬鹿にされていたという話だが、今からすると仕方のない事に思える。黒澤明といってもアメリカ人には無名の存在だったはずで、「七人の侍」の映画も知られていたかどうか。たぶん知られていなかっただろうから、アメリカ人にはどうでもいい映画と無関心だったようだ。しかし公開されるとあまりにも面白いので驚愕。映画は大ヒット。無名の俳優たちはスターになり、エルマー・バーンスタインの壮大なテーマ曲に心を揺さぶられ多くの人が作品のとりこになった。
観客は魅力ある登場人物、ストーリーの面白さに狂喜乱舞した。続編も作られ、今だに新作が作られている。黒澤も世界的に有名になり、三船敏郎も「世界のミフネ」と呼ばれ国際的なスターとして活躍した。1本の映画が映画の歴史を変え、俳優の人生を変え、無名から世界の大スター・ドル箱スターになった。才能ある人たちの出会いが映画の歴史を作っていく。だから映画は素晴らしい。永遠の娯楽の王様だと思う。