劇場版BLEACH 一護、ルキアが動いてる感動
原作の大ファンです。映画について賛否両論あるようですが私は大満足です。
ストーリー構成は原作の1巻から7巻にかけての「死神代行編」です。このストーリを映画の尺の中にうまく納めていました。
100数分という時間の都合上、原作にあった話の多くは省かれています。流れを言いますと、一護がルキアに力を渡され死神化します。その後、原作では「死神代行編」らしく、井上織姫や茶渡泰虎などに絡んだエピソードをもってホロウと闘っていきますが、この辺りは全てカットしています。
映画で焦点が置かれるのは、一護の母親・真咲を殺したホロウである「グランドフィッシャー」です。元々、ルキアはグランドフィッシャーを追って現世に来たという設定です。そして、並行するのが死神の力の譲渡という罪を犯したルキアに対する処罰です。
ソウルソサエティから阿散井恋次と朽木白哉が再三、現世にやって来てルキアに警告をします。そこで、ルキアを救うために一護はグランドフィッシャーを倒すことが出来ればルキアを解放するという約束を彼らに突きつけます。話はそこで終わらず、滅却師の生き残りである石田雨竜もストーリーに入ってきます。そして、母親の墓参りの日、ついに一護とグランドフィッシャーが相対します。そして最後は雨竜とのコンビで撃退に成功します。しかしながら、恋次と白哉はルキアを解放する約束を守らず一護を殺しにかかります。力の差は歴然。このままでは一護が殺される、と思ったルキアは白夜にしがみつく一護の手をほどき、一護の刀から霊力を回収して死神に戻ります。その時に短い間だったがありがとう、と感謝の気持ちを吐露します。
その後、一護やクラスメイトの記憶からルキアに関わる全ての記憶が消えてしまいます。しかしながら、一護は教科書に残されたルキアの落書きを見て、微笑みます。これでエンドロールです。最後には『BLEACH 死神代行編』、とタイトルが流れ、続編があるのでは?と感じさせる終わり方でした。
個人的な感想としては、石田雨竜にもう少し焦点を当てて欲しかったな、と思います。映画ではメノスグランデとの闘いがなく、一護とも何となく和解した形だったので少し消化不良だったと思います。
もう一点は、「死神代行編」と銘打ったものの、一護が倒したホロウは実質最初とグランドフィッシャーの二体のみです。もう少し、死神代行としてホロウを倒しまくってますよ、みたいなシーンをダイジェストで流せば、と思いましたがCGなど予算の都合上難しかったのでしょう。この2点を除けば上手くまとまっていたのでは、と感じました。
キャストについては文句なしです。ビジュアルや動き、話し方など概ね原作を踏襲していました。中でも私が賞賛したいのは朽木ルキアを演じた杉咲花さんです。
映画公開前は恋次や白哉は髪型をきちんと作ってるのに、どうしてルキアは原作と違うんだ、と批判が殺到していました。正直、私も髪型くらい似せてくれないか、と思っていました。しかし、映画を振り返ると最も存在感を発揮したのは間違いなく杉咲花さんです。
死神の掟に忠実で、人間と馴れ合えない、でも心の中では友情や信頼を欲している。そんなルキアの心中が見事に演技に現れていました。これを見て、杉咲花さんを批判する人は絶対にいません。また、登場シーンは少ないものの茶渡泰虎の役者さんもイメージにぴったり、と言った感じでした。
最後に私が最も感動した場面を一つ。それは一護が死神化するシーンです。長年、原作を愛してきた私ですのでスクリーンに一護が映り、躍動感あふれる殺陣をこなしているところを見ると、涙が出そうになりました。続編もぜひともやってもらいたいです。