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バンド漫画の金字塔
音楽をジャンルとした漫画の中でも頭一つ抜けた面白さで、この漫画に影響を受けてバンドを結成したり音楽を始めた人も多いのではないだろうか。
平凡で目立たない主人公と天才ギタリスト、唯一無二で親友のドラム、破天荒なボーカル、ファンキーで包容力のあるベース。それぞれの個性がケミストリーを起こし紆余曲折を経て日本、さらには世界を席巻していく。
とりわけこの作品の最大の魅力の一つであるのが『演奏・歌唱の表現力』である。もちろんストーリーやキャラ設定・世界観などいくつも魅力はあるが、この点が一番の魅力であり、ストーリーに厚みを持たせている一番の要因だろう。主人公の歌唱シーン、バンドのライブパフォーマンスなど、実際にその場に立って漫画の中のオーディエンスと同じ熱量でライブを体感できるといっても過言ではないだろう。
もう一つ大きな魅力として挙げられるのが『人間関係』だ。バンドメンバーそれぞれが抱える思いや葛藤が入り乱れ、バンドシーンでそれらがバックボーンとして語られ、クライマックスでその全てが昇華されていく。
全34巻ながら息つく暇を与えず、あっという間に読み終われるほどの疾走感で駆け抜けていく主人公たちの物語は、一見の価値ありだ。