椿三十郎リメイク版
とにかく、何から何まで全てダメ。オリジナル版と同じ脚本を使いながら、なぜここまで出来が違うのか。不思議としか言いようのない作品。才能の違いと言ってしまえばそれまでだが、それにしてもここまで酷いとは想像を超えている。言いたくはないですが、昔の映画界のレベルと今の映画界のレベルが、天と地ほどの差がある、としか言いようがない。悲しい現実を見せられて、唖然とするばかりで、口から出るのは怒りと愚痴ばかり。記者会見で主演が織田裕二と聞いた時点で嫌な予感はしていた。この時点で失敗は約束されていたも同然。世界のミフネと織田裕二。初めから勝負にならない。その他のキャスティングもことごとく失敗。見るも無残で開いた口がふさがらないとは、このこと。テレビ育ちの今時の俳優のレベルの低さには、前々から怒りを感じていたが、テレビで見るのはタダで済むが、映画は高い料金を取る。お客を失望させるのは日本映画界にダメージを与えることになるだろう。私は誰にも負けないくらいの大の映画ファンだ。その私が激怒するほどお粗末なこの作品は、黒澤明に対しても無礼であり、許しがたい。今の日本の芸能界がこのままだと、世界最悪のレベルになるのは時間の問題だろう。今の芸能界には本当にスターがいない。かろうじて、渡辺謙と真田広之だけ。あとは学芸会レベル。情けない、の一言。今は大変な時期だが、芸能界を変えるにはいい機会かもしれない。在庫一掃セール。