Re:ゼロから始める異世界生活 / リゼロ / Re:Zero

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Re:ゼロから始める異世界生活は、長月達平(ながつきたっぺい)がWEBサイト「なろう小説」に投稿したライトノベル。およびそれを原作とした小説・アニメ・漫画作品。突如、異世界に召喚された引きこもりの少年・ナツキスバルが、唯一与えられた能力「死に戻り」の力を使って、終わりのない死の運命に抗い続ける物語。

Raise58のレビュー・評価・感想

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異世界召喚系で迷ったなら、この本!

『異世界召喚系』や、『異世界生活系』の漫画は、ライトノベルを中心に数多く出版されていますが、その中でも私がオススメするのは、『Re:ゼロから始める異世界生活』です。

この作品のオススメポイントを一言で伝えるとすれば、「憧れていた異世界生活でのリアル」です。
物語の大まかなストーリーはよくある異世界召喚もので、日本のある街で、特に夢も希望もなく、なんとなく日々を過ごしていたフリーターの青年が、ひょんなことから異世界に召喚され、そしてまた、ひょんなことから謎の組織に命を狙われている美少女と出会い、その美少女に恋をし、主人公らしく特殊な能力を使いながら、度重なる危機から彼女を救っていく、という物語です。
物語の主人公もよくある設定で、謎の組織に狙われている美少女という設定もよくあるもの。そして主人公の特殊能力『死に戻り』も、仮に自分が死んでしまったとしても再び復活して物語の起点となった過去の場面からまた人生をやり直すことが出来る、というRPGでいうところの『コンティニュー』のような能力であり、これも、正直よくある設定のように感じます。

しかし、この作品が面白い最大の理由はココであり、主人公は毎回、『死に戻り』の能力を発動しますが、その都度、現実世界と同じように苦しみ、もがき、泣きながら人生を再スタートしなければならないという、あまりにも過酷で現実的過ぎる設定です。
せっかく夢の異世界に来ているというに、今まで以上に過酷で現実的な死の描写や、恐怖の描写が続くので、もういっそ異世界より、現実世界の方がはるかに楽園だと感じられるレベルです。
ちなみに、毎回きちんと死なないと『死に戻り』の能力は発動しないため、大好きな彼女が生きている未来を作り上げるため、主人公自ら、自殺を図るシーンもあります。
その際の葛藤や苦しみも、毎回丁寧に描かれているため、回を重ねるごとにその世界観に飲まれてしまいます。

他の人にはない特殊能力を持って、生きていくこととはどういうことなのか?
異世界に召喚され、英雄として生きることとは一体どういう意味なのか?
本当の英雄とはどんな存在なのか?
異世界召喚ものの作品が多すぎて、どれを読んでいいのかわからない!
または、漠然と、異世界生活や英雄としての生き方に憧れている人に、是非読んでもらいたい、オススメの一作です。