十二国記 / The Twelve Kingdoms

十二国記 / The Twelve Kingdoms

『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。

teketen039のレビュー・評価・感想

十二国記 / The Twelve Kingdoms
9

面白い。最高

十二国記を読んでみて、最初に思ったのが面白い!でした。陽子という少女が、突然、異世界に連れていかれ王になるというのが最初の巻のお話でした。陽子が迷いながら傷つきながら自分の道や信念を見つけ王となる過程が苦しく、かっこいいと思うのです。特別な力を持たない人が異世界で生きていくには厳しいと思うのですが、彼女は見事に達成してしまうのです。
白銀の~シリーズは、今までの作品と違い、ミステリーの要素が強かったと思います。麒麟の常識を破る泰麒。通常の麒麟は、角を切られれば麒麟ではいられない。麒麟としての力を失った泰麒が、どうやって自国を救うのかと気になっていました。麒麟の言葉は天の意思という人々の常識に付け入り、裏切り者の阿選に「あなたが王です」と言ってのける。もちろん、違いますけど、嘘でだまします。実際に、麒麟は人を傷つけることはできないはずですが、気の持ちようで傷つけることができます。ただし、代償なしではありません。そこまでしてでも、己が王と定めた男を救いたかったし、自国の民も救いたかったのです。阿選が裏切った理由は、なんとなく察しはつきますが、言葉にはできないのです。読んでみて、理由を探ってみてください。