悪に共感する自分に出会える
主人公は40代の男性で、ピエロの格好をして広告の宣伝をしている最中にストリートギャングの子供たちから袋叩きにあいます。会社にもどると預かり物の宣伝看板も破壊されてしまったことから、会社からは仕事放棄の疑いをかけられてしまいます。
主人公のアーサーは幼少期から脳と神経の損傷が原因で、緊張すると笑いの発作に襲われる病気を患っていました。薬で何とか日々を凌いできましたが、街の福祉予算の削減でソーシャルワーカーのカウンセリングと向精神薬の打ち切りを告げられます。アーサーはしょうがないことだと思いながら電車に乗りました。電車ではサラリーマン2人が女性を誘うも断られている場面に遭遇します。女性はしつこい誘いに対してアーサーに助けを求める様子ですが、じっと座ったままのアーサー。見て見ぬふりをしていましたが、緊張のあまり笑う発作がでてしまいます。その症状は決してあなた方を笑ったわけではないと男2人に伝えるが、笑う発作が収まらずだんだんひどくなっていきます。その笑い方に腹を立てた男2人はアーサーに殴る蹴るの暴行を繰り返します。誰も助けてくれない状況で、同僚から訳も分からず預かったピストルが蹴られた拍子にアーサーの目の前に落ちます。その瞬間、アーサーはピストルを手に取り二人の男を射殺しました。
初めて人を殺したアーサーは動揺しながらもその場から立ち去ります。事件はニュ―スに取り上げられ、アーサーはビクビクしている様子ですが、同時に開放された気分でした。このあとから、現実や自分の理想を描いた妄想が交じり合って、ジョーカーにならざるをえなくなった理由などが明らかになっていきます。