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『凛として時雨』の人気は何故衰えないのか
『凛として時雨』は、ギター&ボーカル担当のTK、ベース担当の345(みよこ)、ドラム担当のピエール中野からなる3人組のロックバンド。2008年12月24日にシングル曲『moment a rhythm』でメジャーデビューし、2010年9月22日発売の4thアルバム『still a Sigure virgin?』ではオリコンチャート1位を達成した。また、アニメ作品『PSYCHO-PASS サイコパス』のTV版と劇場版でそれぞれ主題歌を担当したことでも知られている。
金切り声を出すような激しい歌唱に、高速かつテクニカルな演奏。「刺す」だの「殺す」だのといったアクの強い歌詞も相俟って、デビュー当時からロックバンド界を騒がせてきた。そのスタイルは結成後10年以上が経った今でも変わっておらず、00年代からのファンも未だ根強く彼らを支持している。更にメンバーは各々ソロ活動も行っており、新たなファンを獲得すると共に『凛として時雨』本体の楽曲クオリティ向上にも繋げている。
新たなスタイルを求めて迷走する、或いは過去の自分たちを超えられず凋落していくバンドが少なくない中、『凛として時雨』は往年のファンから好評を受けてきた部分を一切曲げず、かつ何年経ってもひたすら進化を続けていく。これこそが、音楽界の中でも特に入れ替わりの激しい「ロック」というジャンルで、彼らが息長く活躍している所以である。