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一生に一度は観るべき映画
多様性の時代とは言うが、人々は無意識に自分とは違う価値観の人を普通じゃないと思ってしまう節がある。悲しいことに、認めるという行為は簡単なことではない。だが、本当は誰かを愛す、愛される喜びさえあればそんなことはどうでもいいはずだ。
ゲイのカップルとダウン症の子ども。不思議な家族の形かもしれないが、彼らは確かに家族だった。血が通っていなくても、世間から白い目で見られても、3人で過ごしたひと時を一生忘れることはないだろう。愛する人と過ごした時間は何にも代えられない宝物だ。その権利は誰にでもあることを再確認した。
現代は価値観も大きく変わってきたが、まだすべての人が自分らしくいられる世界が実現されていないことを忘れてはいけない。だけど簡単な話だ。3人からしたら別に理解されなくたっていい。ただ受け入れてくれればいい話なのだ。
ただ3人で幸せになりたいだけなのに、どうして認めてくれないのだろうか。登場人物に感情移入して思わず涙してしまうシーンも多い。特に裁判のシーンは印象に残った。ルディの「一人の人生の話だぞ!あんたらが気にも留めない人生だ」というセリフは心に突き刺さる。もどかしく、切なく、苦しい。だけど大切なことに気づかせてくれる。本当に観て良かったと思わせてくれる映画だ。