激突!
とても恐ろしい映画だ。映画の始まりは何気なく、静かにスタート。平凡なサラリーマンが仕事で出ていく。カーラジオを聴きながら、とても穏やかな天気。眠気と闘いながら、ふと前を見るとタンクローリーがのろのろと動いている。邪魔、うっとうしい、イライラする、仕事に遅れる。そこで、タンクローリーを追い抜く。幸せな気分、心地よい風。本人は知らない、悪夢が始まつたことに。転寝気分で運転していたその時、タンクローリーにぶつかる。何気なくかすった程度。ほんのジャブ程度。しかしタンクローリーの運転手にしてみれば、戦いが始まる、一方的に。青ざめるサラリーマン。逃げる、逃げる、逃げる。ここまで逃げれば大丈夫だとほっとする。しかし…。
この映画を見た当時はアメリカは怖いなと、その点日本は大丈夫と思っていたものだが今や日本も…。
当時無名の若き監督25歳、日本はおろか世界でもまったく無名だった。2年後にある映画で有名となり、その後世界一の映画監督になるとは、その時は誰も知らない。おそらく本人もこの作品がなければ。まさに運命的な出会いがこの作品を通してあった。あなたは運命を信じるだろうか?私は信じる。しかし私には運命的な出会いはなかった。才能の差、人間的な器の差という事だろうか。