魅力的なキャラ・どんどん発展していく関係性
登場する多くのキャラクターに優しさと強い意志を感じ、大変魅力的です。特に藤原書記のコメディリリーフとしての活躍は他の作品になかなかみられない独自性だと思います。他のキャラクターが真剣に恋愛や人生のトラウマと向き合っていく中、一人我が道を行き、ひたすらにコメディ空間を生み出す能力は必見です。ラブコメのコメディ部分は彼女が担っていると言っても過言ではありません。
加えて、話数を重ねるごとにキャラクターの新たな一面が見えてくる作品です。会長のポンコツ、かぐや様の浮世離れ、石上会計の成長、伊井野監査のメンヘラ気質と、初登場時には想像もできなかった一面が後から発見され、またそうした一面がキャラクターの魅力に大きく貢献しています。
また、話の舞台も生徒会室から学校、家庭へと広がっていき、キャラクター同士の関係性も発展していきます。ただのサブキャラ・モブキャラかと思いきや、その後メインキャラにしっかりと関わり話の中心になったりなど、次の展開はどうなるのか、続きが気になる作品です。石上会計の体育祭編、会長とかぐや様の文化祭編をはじめ、それまでの伏線を回収しながら物語が展開されていく様は、圧巻の一言です。
シリアスとコメディの配分も絶妙で、お互いを活かし合っています。シリアスな話も決して陰鬱なものではなく、救いのある、優しさに溢れた物語です。