友情と愛情の大切さを考えさせられました
高校受験を控えた中学3年生の美朱と唯は、図書館で見つけた古い本の中の世界に飛ばされてしまいます。その古い本は四神天地書という、巫女になって七星士を集めて四神を呼び出したら何でも願いを叶えてくれるというものでした。そのことを知らない2人はオデコに鬼の文字を持つ同い年くらいの男の子に出会います。それは朱雀の七星士の鬼宿(たまほめ)だったのです。そのあと2人は無事に現実世界へと帰ります。
しかし美朱は受験のことで母親とケンカし、もう1度四神天地書の中へと入ってしまいます。たどり着いたそこは南にある紅南国で、皇帝でもあり七星士でもある星宿(ほとほり)と出会い、そしてまた鬼宿と再会して、美朱は朱雀の巫女になります。その後仲間の七星士を着々と集めながら、美朱は鬼宿に惹かれていきます。
同じ頃、唯は美朱があの本の世界に飛ばされたのではないかと考え、また四神天地書がある図書館に忍び込んでいました。やはり唯も本の中に吸い込まれてしまうのですが、唯が着いたのは東にある青龍を神と崇める国でした。唯を助けたのは青龍七星士である心宿(なかご)で、彼は唯が美朱と対立するよう仕向けていき、唯は青龍の巫女になってしまいます。そして唯も鬼宿が好きになっていました。
最後に唯が青龍を呼び出して青龍に食べられてしまうのですが、唯と美朱の友情・美朱と鬼宿の愛の力で唯は助かりました。友情と愛の狭間で揺れる登場人物たちの描き方が素晴らしい作品です。