KOWLOON'S GATE / クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-

KOWLOON'S GATE / クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-

『クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-』(クーロンズ・ゲート くーろんふうすいでん)とは、1997年2月28日にソニー・ミュージックエンタテインメント (SME) から発売されたPlayStation用アドベンチャーゲームである。かつて香港に実在した九龍城砦をモデルとした「九龍城(クーロンじょう)」を舞台とし、現世である「陽界」と対をなす別世界「陰界」から突如出現した九龍城の風水を正し、世界の崩壊を防ぐことを命じられた「超級風水師」を主人公とする。「常識は、今のうちに捨てておいてください。」というキャッチコピーに象徴される通り、東洋医学や風水、サイバーパンクが混然一体となった奇怪でサイケデリックな世界観が最大の特徴である。開発には4年以上の歳月を要し、PlayStation初期の野心的なタイトルとして独自のファン層を獲得した。2010年からはゲームアーカイブスでの配信が開始されたほか、2017年には前日譚となるVR作品『クーロンズゲートVR Suzaku』、2024年には次世代版続編『クーロンズリゾーム』が発売されるなど、四半世紀を経てなお関連作品の展開が続いている。
物語は、1997年5月の香港を舞台に幕を開ける。最高風水会議の超級風水師である主人公は、陰界において四神獣の見立てが行われず気脈が乱れたことで陽界へ現出した九龍城へと送り込まれる。龍城路を拠点に調査を進める中、気功塾の経営者ウェイから龍脈が仏像に姿を変えている等の情報を得て、九龍フロントへと足を伸ばす。そこで主人公は、予知夢をきっかけに生き別れの姉を探す謎の女性・小黒(シャオヘイ)と出会う。一方で九龍城内では、双子を集めて「鳴力」という特殊能力を覚醒させようと目論む秘密結社「蛇老講(オールド・スネーク)」が暗躍しており、主人公は奇怪な住人たちに翻弄されながら世界の命運を左右する陰謀へと足を踏み入れていく。

hajime_asyouのレビュー・評価・感想

KOWLOON'S GATE / クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-
10

陰鬱さも汚れもその全てが美しい

このゲームは、『陽の世界』と『陰の世界』から成り立っている。1997年5月22日の香港返還を前日に控えたこちらの世界『陽界』に、あろう事か裏の世界『陰界』の九龍城が現れたのだ。 『陰界』は『陽界』の対となる世界だ。二つの世界が不用意に交わる事になり、調和を崩せば世界意味を失い、崩壊してしまう。『陽界』では風水の力によって調和を得ているが『陰界』ではその風水が見当たらないという。世界を元の姿に戻す為には『陰界』で、『白虎』『朱雀』『玄武』『青龍』の『四神獣』の見立てを行わなければならない。そこで、香港最高風水会議により、主人公である『超級風水師』が九龍城へ潜入する事になった。主人公についてはあまり語られてはいない。主人公に関する書籍やプレイヤーの考察等はこうだ。主人公は高位の超級風水ゆえに難解な任務を受け負っていたが、致命的なミスを負ってしまう。謹慎後に調査と称した捨て駒及び解雇のような形で、また一方では、超級風水としての実力を買われて、はたまた別の意見では、この超級風水師に何かがあり、陰界に行くべき人物である等ある。この『陰界』というのが、本当に陰鬱で、それでいて何処か綺麗な、不思議な世界だ。街は常に夜のように薄暗く、此処彼処が汚れ、淀み、壁には不審な貼り紙が貼られている。住人達も怪しげな者が多い。『びん屋』、『ねじ屋』、『水銀屋』、『錠前屋』、『双子屋』、といった怪しげな店の店主らを始め、主人公と敵対する者、主人公の助けとなる者でさえ何処か奇妙な雰囲気を纏っている。しかし、そんな陰鬱さや不気味ささえも美しく、心地良いと思えてしまうのだ。このゲームをプレイするにあたり、常識は今のうちに捨てておく必要がある。