“椎名林檎感”から脱皮した親近感と独特の世界観
彼女達を知ったのはメジャーデビューする一年ほど前からです。正直に言うと最初のイメージは「椎名林檎好きなんだろうなあ」でした。椎名林檎や東京事変が好きな人達から見たら、よりそう思うだろうと予想できます。事実ボーカル&ギターの雫は、インタビューで好きなアーティストに椎名林檎を挙げていて、彼女から影響を受けた事が容易に想像できます。昔流行った椎名林檎の“二番煎じバンド”が、少し時が経ちまた目新しく見えたのかなと思いました。
しかし何か突き抜けたのか、それとも元々予定していたのか、段々とイメージが代わり、メジャーデビュー後には殆ど以前感じた椎名林檎感は鳴りを潜め、自分達らしいフランクな世界観を持つようになりました。。主にボーカルの雫を中心に自分達でCDジャケットやPVなどプロデュースを手がけ、制作していく過程を持つ彼女達にとって変化は必然なのかも知れません。
正直、未だに椎名林檎の影響を受けているな、と思う事はあります。女目線で男を見た切なさや、自分の恋愛を客観的に見ながらも恋に抗えないなど、歌詞の世界観には椎名林檎を彷彿とさせます。しかし今それは、影響を受けた存在として巧くこのバンドに取り入れられた形になりました。
歌詞や音楽から感じる清潔感と爽やかさ。敢えて比較しますが、椎名林檎のねちっこさ(良い意味で)から少し離れた疾走感とポップ感、そんなものが欲しい時彼女たちの音楽はぴったりハマるのではないでしょうか。