8
1917 命をかけた伝令
第一次世界大戦時のイギリス軍兵士の話。前線部隊にいる兄を持つ弟とその同僚が「前線からの攻撃は敵からの罠である」ことを伝達するために危険を冒して移動する話で、戦時中の人間の心や当時の状況がわかりやすく示された映画だった。みどころは、心の優しい兵士(弟)が移動中に負傷した敵国のパイロットを救おうと親切心を見せるが、その瞬間敵に殺されてしまうところ。戦時中は、親切心が仇になる。さんざん本や映画、人の話で聞かされていた話でも映像でみるとリアルに感じることができるので、多くの方にみていただきたい作品である。
また役者の演技も素晴らしく、殺される際に血の気を失うところや嘆き悲しむシーンは映像を見て感じるところが多い。その他にも下っ端は上官に相手にしてもらえないところがあるが、これは現代社会にも存在することだろう。手紙もなく口頭で重要なことを伝達し、道をあけてもらおうとするには無理があるだろうと思う設定だったが、きちんと理解しようと持っていた手紙を読んでくれた人がいて、最終的には少しでも貢献出来たところはよかった。また、戦争が現在進行中の際に、まったく身動きがとれなくなり会話がままならない上官がいたが、普通の会社でも存在しうるキャラクターであり、印象に残っている。