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アンニュイさの中にストーリーあり。
相対性理論は2006年に結成された音楽ユニットだ。
2007年にリリースされた自主製作音源「シフォン主義」は、ライブ会場と通販のみでの販売であったにもかかわらず、4000枚を販売し、話題となった。
ボーカルのやくしまるえつこのアンニュイな声と歌い方に、沿いながらも個性を放つ当時ベースの真部脩一の作詞作曲は絶妙にマッチする。
ライブ以外ではPVも含めて露出が極端に少なく、楽曲のアンニュイさともあいまって掴みどころの無いユニークなグループである。
結成当初のライブでも、フリートークなどを挟まず淡々と曲を歌い続ける様子は一部で注目を集め、今までに無い新感覚の音楽ユニットとして異彩を放つ。
先に述べたように、歌詞も相対性理論を語る上では欠かせない要素となる。
言葉遊びとも捉えられる押韻と独特のワードセンスによって織りなす歌詞は、よくよく聴いてみると一つのストーリーとして丁寧に描かれており、何度聴いても新しい発見が生まれる。
当初作詞作曲を務めていた真部脩一は2012年に脱退し、以降はボーカルのやくしまるえつこを中心としたメンバーで作詞作曲を行っているが、真部のユニークなエッセンスを受け継ぎながらも、また一味違う歌詞とメロディーは、今後も注目に値する。