映像研には手を出すな! / Keep Your Hands Off Eizouken!

映像研には手を出すな! / Keep Your Hands Off Eizouken!

『映像研には手を出すな!』とは、大童澄瞳による日本の漫画及び、それを原作としたアニメ、ドラマ、映画作品。アニメ好きの女子高生3人が、部活動で様々なアニメ制作を手掛けていくというストーリー。アニメ制作を通じての3人の成長が見られ、映像制作の場面はアニメファンの心をくすぐるような話になっている。また、映像も空想と現実が入り混じり、独特の世界観を醸し出している。本編では、女子高生と戦車の戦い、ロボットと怪獣の戦い、異星人と地球人との交流がアニメ作品として描かれており、独特なタッチの映像となっている。

nao34のレビュー・評価・感想

映像研には手を出すな! / Keep Your Hands Off Eizouken!
10

何かに夢中になる気持ち

アニメ作家を目指す女子中学生が、同じ志を持った仲間と出会い、アニメ制作に乗り込んでいくお話。
好きな物をとにかく詳しく調べて、その中にどっぷりとはまって、他の事なんかどうでもいい、そんな痛くて幸せな時代を送ったことある人ならきっと共感する。話しているうちに歪んでいく景色、気づいたら自分たちが作品の中に入っているあのトリップ感。好きな物に夢中だった10代のあの時、お酒も薬も何も必要じゃなかったんだと、夢見る気持ちで思い出さずにはいられなくなる。
作ったアニメを生徒会の前で発表する第4回は必見。最初は興味を持っていなかった生徒会・生徒も巻き込むアニメの迫力。女子中学生が3人だけで寝る時間も削って作ったアニメは大成功なのだが、当の3人は客の反応なんて全然みていない。大きなスクリーンで見た自分たちの作品に夢中なので。
人の評価もどうでもいい、自分たちが目指す理想に一歩でも近づきたいという彼女たちの熱い思いに、気づいたらサブカルおばさん・おじさんたちはみんな涙腺崩壊。これを見て一緒に泣ける人が友達にいた私は、さえないけど幸せな人生を今歩んでいるなと感じた。
夢を持っている、これから夢を見る10代も、夢のまんなかにいる人、そして何かをあきらめた人、全てに見てほしい。