グリーン・インフェルノ

グリーン・インフェルノ

『グリーン・インフェルノ』(原題:The Green Inferno)は、2013年に公開されたアメリカ合衆国のホラー映画。監督はイーライ・ロス。主演はロレンツァ・イッツォ。食人をテーマにしたホラー映画となっており、批評家からの評価を要約すると、「本作はイーライ・ロス監督作品の新規ファンの開拓には至れないだろう。しかし、残虐な映像を作り上げることに関するロス監督の才能に魅せられた人々にとっては、ぞくぞくするような面白さがある作品になっているはずだ。」となっている。

kzy_77のレビュー・評価・感想

グリーン・インフェルノ
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グリーン・インフェルノを観て感じたこと

物語は普通の大学生の日常場面から始まります。主人公は普通の女子大学生という感じですが、唯一普通でないのは、父親が国連の関係者であるという点です。そんな主人公が大学の講義で「女子割礼」について知り、憤りを感じて、慈善活動に興味を持ち始めます。彼女が参加を決めたのは、ヤハ族が暮らしている熱帯雨林を開発しようと森林伐採している大企業に対して抗議する活動でした。やや過激な方法であるものの、原住民や自然を守るという大義名分のもとに活動を実行しますが、その実、リーダー格のメンバーに「国連関係者を親に持つ」ことを利用されたと気づき、失望します。この辺りの展開からは、世間を知らない恵まれた若者が、正義感に任せて大きな変革を起こそうとする無謀さや、それを利用される恐ろしさが伝わります。しかし、本当に恐ろしい物語はここから始まります。帰路につくため搭乗していた小型飛行機が森に墜落してしまうのです。ここで何人かのメンバーが命を落とします。主人公含め、生き残った数人は何とか帰るための方法を模索しますが、ヤハ族に捕まります。このヤハ族、なんと食人行為をおこなう部族で、捕まったメンバーのひとりが殺され、解体され、調理されるシーンは、まさにグロテスクそのもの。思わず目を背けたくなる絶望に見舞われます。その後、「食料として保管」されている残されたメンバーが何を思い、どのように行動するのか。極限状態に置かれた人たちの言動、垣間見える人の本質が見どころです。