彼らの言葉(魂)はなぜ届くのか?
SUPER BEAVERは日本のロックバンドである。
彼らの魅力は、前向きな歌詞と王道なロックサウンド。けしてハイカラな空気ではない、無駄をそぎ落とした彼らの曲は聴く者の心をつかんで離さない。
ただ前向きな曲なら、きっと彼らの曲はここまで多くの人に刺さらなかっただろう。前向きな歌詞だが、決して「頑張れ、頑張ろう」というスタンスではないと私は思っている。押しつけがましくなく、彼らは彼ら自身に語り掛けている。どちらかというと「自分を諦めないで、ダメなんて思わないで、自分の価値を決められるのは自分だけだよ」と、そう彼らは自分自身を勇気づけ、ファンをも勇気づけているように思える。
彼らの作る曲が指し示すのは常に「本当のこと」だ。彼らの言葉は、聴く人を時にハッとさせる力があると思う。それは現代社会の荒波に飲まれてただ日々を過ごしてしまっている人ほど、その効果は大きい。
そして彼らは「大切なことは大切なことを大切にすること」だと繰り返し歌ってきた。当たり前じゃないか?と思うかもしれない。だが、当たり前を当たり前のように大切しつづけるのは決して簡単なことではない。でも、それでも大切にしようという思いを込めて彼らは歌う。
紡ぐことばすべてに、その思いが込められているからこそ、ただ前向きなだけの曲として淘汰されずに今ここにあるのだ。
そして彼らの言葉は、人の弱さを決して追い出さない。人の脆さや情けなさも愛する彼らの言葉に、あなたも打たれてみてほしい。