手嶌葵

手嶌葵

手嶌葵(てしま あおい、1987年6月21日 - )は、福岡県春日市出身の女性歌手。2005年3月、韓国で行われたイベント『日韓スローミュージックの世界』に出演。このイベントをきっかけに、無名の新人ながらジブリ映画『ゲド戦記』の主題歌を歌う歌手に抜擢される。さらにヒロイン・テルーの声優も務めることになった。2006年6月7日、「テルーの唄」でメジャーデビュー。2012年9月30日、福岡県春日市の「市民文化賞」を授与された。

kigun-kigunのレビュー・評価・感想

手嶌葵
10

どんな曲も優しく歌う人

ジブリ映画の主題歌に起用されてすっかりメジャーになった歌手の手嶌葵さんですが、ライブ活動のご様子はとても謙虚で誠実。チケットもそんなに取りにくくはありません。

手嶌さんの魅力は何と言ってもまずその声。彼女の声が人の心を深く癒す力を持っていることには、誰しも賛成してくれることと思います。
ただ忘れて欲しくないのは、アルバム「虹の歌集」以降の歌唱力。優しい歌い方をされるのであまり取り上げられることはありませんが、彼女が類稀なる技の持ち主なのは、音楽通なら誰もが認めるところ。
確かにデビュー当時は荒削りでしたが、「虹の歌集」の前後で本当に何があったのと言いたくなるくらいの変貌を遂げています。
もちろん声そのものの魅力はデビュー当時から一貫してあり続けているのですが、技術的には全く別人かと思えるほどの変わりようなのです。
もしゲド戦記での彼女の歌しか知らないという人がいたら、ぜひ「虹の歌集」以降の彼女の歌を聴いてみてください。
私の個人的なお勧めは「虹」です。この曲は彼女の進化の代名詞であると同時に、それにふさわしい音像処理が行われています。
この頃の曲はどれも粒ぞろいですが、水谷豊さんの映画で話題になった「こころをこめて」がシンプルに声とその使い方の魅力を味わえる名曲なのではないかと思います。