ゲーム『どうぶつの森』シリーズ本編そのままの印象
この映画は主人公の人間の女の子「あい」が、海岸に届いたメッセージボトルを頼りに、雪祭りの夜に奇跡を起こそうとする内容の物語となっています。
正直なところ、主人公のあいがまとも過ぎて意外性には欠ける内容で、良くも悪くもゲーム『どうぶつの森』シリーズ本編そのままとでも言うべき印象でした。90分で完結する映画であるため、話が少し駆け足で、展開も飛躍しているような印象でした。悪く言うと「小学生が作ったような話」です。
原作ゲームでは、好きであった村民が引っ越すことによってもう会えなくなる悲しみ、現実世界ではできない悪戯の限りを尽くすという楽しみなど、いろいろな意味での残酷さが売りでしたが、この作品はいくら子供向けといっても流石に毒気が薄すぎるような感じがしてきます。
それでも、当時としては贅を尽くした声優陣であり、キャラクターや世界観など雰囲気は上質なものがありました。一緒に鑑賞した母親は「良く分からないけど、いい感じだね」とこの映画を褒めていました。
製作陣が努力した結果というべきかキャラクターは再現度が非常に高く、たぬきちの有無を言わさぬ強引さ、ぺりみの性格のキツさや毒舌さ、ぺりおの鈍感さはゲーム本編そのままでした。