何者

何者

『何者』(なにもの)とは、2012年11月に発表された朝井リョウによる小説、およびそれを原作としたメディアミックス作品。小説は第148回直木三十五賞受賞作である。
主要登場人物は、二宮拓人、神谷光太郎、田名部瑞月、小早川理香、宮本隆良の5人。大学生の彼らは、それぞれの悩みを抱えながら就職活動に励む。
実写映画ではこの5人の大学生を、佐藤健、菅田将暉、有村架純、二階堂ふみ、岡田将生という錚々たるメンバーが演じた。

chelsea24のレビュー・評価・感想

何者
8

就活生や自分について深く考えたことない人におすすめ

まず役者さんの演技力がみんな高くて、特に主人公の佐藤健には驚きました。最後のどんでんがえしがたまらないです。それが見たくて何回も見ています。
大学生の就活シーズンが舞台です。お互いが自分にもウソをつき続けて苦しいながらも、その先の道を作ろうとする努力をする一方、才能で周りを軽々と超えてしまう者、自分は不遇だと他者を妬む者など、まさに人間の思惑が交差しあっている描写がとても良いです。主人公が少し斜に構えるような性格で、その視点で描かれています。その点がすごくリアルだなと感じます。自分もそういう性格だから余計に共感しました。特にそこそこの大学を出ている方には共感できると思います。大学生の付き合いって義務教育や高校の時とは違い、利害関係で成り立つことが多いので、どうしてもだれかが欠けるとそれでバラバラになりがちで修復が不可能になることもやはりあります。その危うさがよく表現されていたと思います。
若いながらの葛藤や、恋愛、価値観がそれぞれが何者なのか語っているようでありながら、まだ何者にもなれていないようにも見えます。ただ演技力が高い俳優さんが多いため、そうでない方の演技はちょっと引っ掛かりました。でもこれほどまでにタイトルと中身が合致する映画は久しぶりに見ました。この映画は人間味がすごく出ていて良い作品だと思います。