火星に一人残されるという絶望に立ち向かう男性の姿
火星への有人探査計画の最中に、強力な砂塵嵐に見舞われた上に折れたアンテナが直撃してしまったマーク・ワトニー。
自分たちも危機に瀕していたクルーたちは、彼が死亡したと判断して地球へと帰還しました。
しかし、マークは生きていました。
生きていた、と言っても食糧などの物資が充分にあるはずもなく、マークの生存を知った地球の職員たちも火星へすぐに救助や支援を送ることができるはずもなく、マークは火星で自ら食糧を栽培し、水、空気、電気を作り出さなければなりませんでした。
不幸中の幸いか、植物学者のマークはその知識を用いてそれらを作り出し、物資の中から見つけたジャガイモも、自分たちの排泄物と火星の土で栽培に成功しました。
それは決して順風満帆ではなく、施設の破損やジャガイモの全滅、支援ロケットの打ち上げ失敗など、常人であれば心が折れてしまい生きるのを諦めてしまいそうな状況です。しかしマークはあまりのストレスに激昂したりはすれども諦めることなく困難に立ち向かい、生きることをやめない姿には感動を覚えます。
彼が救出される直前まで常に前途多難という単語が頭を占めますが、彼の偉業は作中でも歴史に残るもので、後にマークが教官となり訓練生を育てる中でも役立っていく様が描かれます。
マークのようにはなれなくとも、その憧れは日常の中にほんの少しの勇気を残してくれました。