愛とは何かを知りたい少女の物語
アニメ序盤、主人公松坂さとうがDV家庭で心を病んだ母親から捨てられた神戸しおを、保護ではなく軟禁している所から物語が始まります。
さとうは、しおと出会う前は愛を知るためとして男遊びを繰り返し、愛とは何かを知ろうとしますが、それでは愛を知ることはできませんでした。しかし、しおと出会ったことにより、自分の中にどうしようもないハッピーな感情があることに気づきます。そして、しおとの生活を守るためならば何をしても良いという歪んだ考えを露にしてきます。
作中にはバイト先のショタ大好き・プライド富士山級の店長、スーパードMの担任の教師、年上に犯された傷をロリコンに癒されたくてたまらない男子高校生、さとうのおば(これが一番ぶっ壊れている)など強烈な個性を放つキャラクターが出てきます。彼らがさとうの生活を脅かすような行動をとってきますが、それを上回る残虐性と個性を持つさとうは、むしろ彼らを利用するくらいの狡猾さで苦難を乗り越えていきます。しかし、幸せな生活も長くは続かず、軟禁現場をバイトの友人に見られた所から歯車が狂い始めます。そして、さとうもしおの軟禁以外にとてつもない罪を犯してしまいます。
この作品はとても幸せそうなタイトルをしていますが、かなりの残酷描写を含んでいるアニメです。しかし、その中でも愛を知りたい少女達がお互いの愛を確かめ合っていきます。そして、主人公の松坂さとうは最終話にてしおを守るという親愛に目覚めます。
このアニメに出てくるキャラ達は基本的に何らかの心の闇を抱えています。そのため鬱展開が多いので、そういうのが苦手な方にはお勧めできない作品です。しかし、全部が鬱展開ではなく、さとうとしおのハッピーなライフはみているこちらも救われる思いがあります。
不遇な環境にある彼女達がどうやって愛を知り、愛を深めていくのか。そこに注目しながら、最終話の最後のシーンを見ると胸にくるものがある良作です。