タイトルや絵などと、内容とのギャップが良い
まず、タイトルにもある通りこの作品は魔法少女ものですが、物語の主人公である鹿目まどかは物語の最後のほうまで魔法少女になることはありません。
この世界には、普通の女の子と契約し、その子に魔法少女になってもらうという、一見マスコット的なキュゥべえというキャラクターがいます。キュゥべえは、潜在する魔力の強い鹿目まどかに契約してもらいたいのですが、暁美ほむらという謎の転校生が契約させまいと邪魔をします。
実は、暁美ほむらは未来からタイムスリップをしてきた魔法少女で、元の時間でキュゥべえと契約し魔法少女になった鹿目まどかから、「キュゥべえと契約してしまう馬鹿な自分を救ってほしい」という願いを託されていたのです。これが主人公であるにも関わらず、鹿目まどかがなかなか魔法少女にならない理由です。
そして、かわいらしい絵からは想像できないような鬱展開をする作品でもあります。一例として、魔法少女は最終的に魔女となり魔法少女の敵になるという設定が存在します。その魔女に鹿目まどかの親友である美樹さやかがなってしまい、魔女となった美樹さやかを他の魔法少女が倒すといった内容の話があります。
前述の「未来の鹿目まどか」が「過去に戻れる暁美ほむら」に託した願いは、このような鬱展開の積み重ねが要因となっています。
この作品は、他の魔法少女物の作品とは違い、必ずしも1つのストーリーがハッピーエンドになるとは限りません。その点がこの作品と他の作品を差別化するポイントであり、また、この作品をオススメできる最大のポイントでもあります。
絶望的な状況を一転する壮大なラストは感動的です。