第3部主人公空条承太郎の娘が主人公、舞台は刑務所
本作はジョジョシリーズのタイトルが含まれているものの、単行本の巻数がリセットされ一巻から始まるという「同シリーズ別作品」のような色が濃いものです。
ヒロインの空条徐倫(くうじょうじょりーん)は3部主人公・承太郎の娘ですが、彼女が幼い頃に離婚して父親と関わることなく過ごしたため承太郎のことを快く思っていません。しかしそこにも実は承太郎の家族愛が隠されていたりもします。
承太郎はこの刑務所にいるのは危険だと主張し反抗する徐倫を脱獄させようとするも、その最中に徐倫をかばってプッチ神父のスタンド「ホワイトスネイク」にスタンド能力と記憶をディスク化したものを奪われ、一時的に廃人と化しました。
徐倫は彼の愛を知り、脱獄のチャンスを逃しても彼のディスクを取り戻すことと刑務所の中でプッチ神父を追うことを決意し、神父の送り込む刺客を倒しながらディスクの回収とプッチ神父の打倒を目指します。
本作のスタンド名も、作者が好きな海外ミュージシャン関連のネタが使用されています。
「マンハッタン・トランスファー」「グーグー・ドールズ」「キッス」「ストーン・フリー」など、元ネタを知っていても知らなくてもカッコよく感じられる選定はさすがの一言です。
ストーン・フリーの能力は「線が集まれば立体となる」という2次元→3次元の概念を感じさせられるのですが、プッチ神父のスタンド能力進化後の「時を加速させる」というのは4次元の概念としてもよく使用される設定で、最終話に世界が一巡したことも考えるとやはり本作がジョジョシリーズの終点のつもりで描かれた作品なのではないか、と考えさせられました。
実際には次作であるスティール・ボール・ランが実質的なジョジョの続編として扱われることとなり、その後さらにジョジョリオンが連載され、ジョジョの世界がいかにファンから熱望されているかを感じます。