デキる猫は今日も憂鬱

デキる猫は今日も憂鬱

『デキる猫は今日も憂鬱』とは、山田ヒツジによる漫画作品である。『水曜日のシリウス』及び『月刊少年シリウス』にて、連載されている。2020年の「全国書店員が選んだおすすめコミック」では11位、「次にくるマンガ大賞2020」Webマンガ部門18位を受賞した。2024年2月時点で電子版を含むシリーズ累計部数は160万部を突破した。物語の主人公は、片付けられない系女子のOL、福澤幸来(ふくざわさく)である。彼女とぶっきらぼうな性格の「デキる猫」の諭吉との日常を描くストーリーである。この猫は、クマほどの大きさで、周囲からは巨大な猫の着ぐるみを着ていると思い込まれている。
テレビアニメは毎日放送・TBS系列『アニメイズム』枠で2023年7月から9月まで放映された。オープニングは、someiによる『憂う門には福来たる』、エンディングテーマは、asmiによる『破壊前夜のこと』である。主人公福澤幸来の声優は石川由依が務め、諭吉の声優は安元洋貴が務めた。

pandoraのレビュー・評価・感想

デキる猫は今日も憂鬱
8

完璧シュフ猫とだらけ飼い主のあったか生活

諭吉は大きな黒猫です。
その大きさたるや飼い主であるOL幸来(サク)を越えるほどで、二足歩行どころか炊事洗濯掃除に始まりサクのお世話まで完璧にこなす、デキる猫です。

諭吉は掃除が綺麗にできたり、自分の作ったお弁当がサクに残さず食べられていたりすると「くっくっくっく」とニヤリ。家事とサクのことが大好きであることが伺えます。
サクが諭吉の作ったおかずをビールのつまみに食べたいと言った際には、明日のお弁当用なのでNG、と伝えたものの、すごく美味しそうだけど明日までガマンだよねぇ…と落ち込む彼女へ即席で別のおつまみを作るなど、不服そうな顔を見せながらも、やはり自分の料理を喜ばれることやサクに喜ばれることが嬉しい様子です。

甘やかすだけではなくご飯を食べてすぐに寝てしまいそうなサクを、浴室へ引きずっては服を剥ぎやや熱めのシャワーを浴びせるなど、身だしなみや生活習慣などをしっかりしないことは容認しない模様で、その姿はまるで保護者です。

諭吉は食材の買い出しなどで普通に外出していて、その姿は周りから「着ぐるみで出歩く変わった人」として見られているようで、スーパーの店員などから来店を待ちわびられていることもあるのが面白いです。

サクは普段から諭吉に頼りっぱなしですが、お互いのことは好き合っているようで社員旅行で数日間離れた時には互いに寂しがっている節があったり、電話をした際には二人とも嬉しそうな顔を見せます。ちなみに、諭吉は人の言葉を話せるわけではなく、この時は喉を鳴らしていました。

ちょっと変わったデキる猫の諭吉と、仕事はバッチリ私生活では諭吉に甘えっぱなしのサクの二人の日常は、読んでいてとても癒されます。