ドラクエシリーズ最も波乱万丈な人生を送る主人公
1番驚いたのは、主人公が勇者では無いということです。
息子が勇者であるということを知り「なるほど。天空の花嫁というタイトル通り、結婚することで勇者が生まれるんだ」と納得しました。
主人公の父が自分のせいで命を落とすのを目の当たりにし、奴隷生活を送り、結婚ののちに子供が生まれるが自らは石化させられ、妻はさらわれる。
数年が経った後に子供たちが助けに来てくれるが、自分の子供が成長する様を見られなかった主人公の心中を思うと切なさを覚えます。
それでも、幼少から持っていた優しい心でモンスターを仲間にする、シリーズ初のモンスター使い。その能力が大人になった後も衰えなかったというのは技術ではなく優しい心が変わらなかったのだとしたら、彼の人間性は聖人とすら呼べるのでは無いかと思います。
勇者が保護者同伴のまま世界を救うというのも、シリーズ初どころか全RPGにおいてもなかなか無い展開では無いかと思いました。
前作であるIVがかなりの名作であったため上回るのは大変だと考えていましたが、新たな要素を試み負けず劣らずの名作を作り上げたエニックスには感服です。
後にリメイクにとどまらずCG映画化もされたことから、この作品を今でも好きな人がどれだけ多いのか感じさせられます。