いばらの王 / King of Thorn

いばらの王 / King of Thorn

『いばらの王』(いばらのおう King of Thorn.)とは、岩原裕二によるSF漫画、およびそれを原作とした劇場アニメである。
治療法が確立されていない謎の奇病「メドゥーサ」に侵された世界を舞台にしたサバイバル・アクションである。『コミックビーム』にて2002年から2005年まで連載され、単行本は全6巻が刊行された。2008年にはアメリカ図書館協会の推薦グラフィックノベルに選出されているほか、2010年には劇場アニメ映画として公開され、シッチェス・カタロニア国際映画祭など数々の国際映画祭に出品された。
物語は、全世界で猛威を振るう石化病「メドゥーサ」から逃れ、未来に希望を託すためにコールドスリープに入った160人の選ばれし者たちが目覚めるところから始まる。主人公の少女・カスミが眠りから覚めると、そこは当初の予定とは異なり、鋭い「いばら」に覆われ、醜悪なモンスターが徘徊する凄惨な廃墟と化していた。襲いくる未知の怪物たちと、体内を蝕み続ける石化病。二つの死の淵に立たされたカスミは、生き残った僅かな仲間たちと共に、脱出不可能と思える「いばらの古城」からの生還を目指す。

hibiki-yunagiのレビュー・評価・感想

いばらの王 / King of Thorn
8

コールドスリープ後のパニックホラー漫画

世界に人間が石化する奇病「メドゥーサ」が蔓延し、未来に希望を託してコールドスリープするも、目覚めるとモンスターが闊歩していた、という状況は映画でも見かける王道的絶望感があります。

本作の主人公カスミはメドゥーサが進行し続ける中、モンスターに襲われる。壊れた施設はいつ落下してもおかしくないボロボロの状況で、他の生存者と施設の脱出を試みる。

同行者の中で最も頼りになるマルコを見ていると、非常時における筋力・体力というフィジカルと冷静な判断力、知識、経験の重要性を再認識します。筋肉は裏切らない。
一方でモンスターの強大な生物という脅威には、フィジカルによるゴリ押しでも絶対に敵わないというシーンもありますが、ここではフィジカルの強さが絶望感の演出として輝いています。

訳がわからない状況から、少しずつ真相がわかっていくこともパニックホラーの1つの楽しみ方だと思います。
最後まで何もわからず考察する作品も楽しいですが、いばらの王ではわかりやすく何がどうしてこうなってしまったのか、が語られるため、読後感の良い作品でした。

劇場版アニメでは世界的な賞を複数受賞していて、いかにこの作品の完成度が高いかが分かります。
漫画版と劇場版アニメで展開が異なるのも、深くこの作品を楽しめる要素の一つです。