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配役設定の絶妙さ
三谷幸喜サンの真骨頂と言える作品です。
とんでもない配役ぶりでキャストが登場するたびに”ここでこの方使っていいの!?”という驚きとワクワク感に満ちています。あのYOUサンがあんなキャラで、まさかの佐藤浩市サンがあの役柄でという良い裏切り感が癖になって何度観ていても飽きません。そして、ヤッパリそうきたかというキャラのオダギリジョーさん、西田敏行サンが余りにもはまり役でもう前のめりで引き込まれます。全員野球ならぬ全員メインキャストという痛快さで観終わった後は全ての俳優の方のファンにならずにはいられません。
かの有名なハリウッド映画”グランドホテル”を持ち出していながら、全ての俳優陣が思いっ切りドタバタ劇を演じ、”グランドホテル”に引けを取らない怪演っぷりで流石三谷幸喜ワールドと唸ってしまいます。
散々ネタバレ的に書いたのでもう一つ加えると、曲者キャラの中で”こんな役やっていいのですか!?”と、思わず口にしたくなるのが唐沢寿明サンです。ここまでの化け方はこの方ならではの格好悪さで、唐沢サンでなければこの作品全てが台無しになったと言っても過言ではないと思います。濃ゆい役柄なんですが流石の一言です。
俳優サンが奏でた個性のハーモニーを三谷幸喜サンならではのレシピで仕上げた最高傑作です。