サカナクション / Sakanaction

サカナクションは、2005年にギター&ボーカルの山口一郎を中心に北海道で結成されたロックバンド。2007年にレコードデビュー。
山口一郎以外のメンバーは、ギターの:岩寺 基晴、ドラム:江島 啓一、ベース:草刈 愛美、キーボード:岡崎 英美の計5名の男女混合バンドである。2013年にはNHK紅白歌合戦に出演もしている。サカナクションのサウンドはロックであるが、様々なジャンルの曲調がある。キーボードをメインとした、エレクトロダンスミュージックを筆頭に、アコースティックギターメインでのフォーキーなサウンド、そして覚えやすいメロディの、ポップミュージックを特徴としている。CMやタイアップ曲も多数あり、代表曲の1つである『新宝島』は2015年の映画『バクマン』の劇中歌に採用されるだけでなく、ソフトバンクのCMやTIKTOKなどのCMにも使われており、Billboard Japan Hot 100の週間1位を獲得している。他、『忘れられないの』も彼らの代表曲で、同様にソフトバンクのCMに2019年に起用されている。

a_holly_annaのレビュー・評価・感想

サカナクション / Sakanaction
10

北海道、東京、現在、未来

2019年、サカナクションが漸くアルバムをリリースした。六年ぶりにアルバムが出たのだ。六年ぶりだからか六年ぶりなのにかは分からないが、二枚組のアルバムだ。
アルバムが出てからは精力的に様々なメディアで活動を続けているサカナクション。タイトルは北海道時代に使っていたスタジオから東京のスタジオを結んだ距離に由来している。そんなアルバムを聴きながら、彼らの目指していることに思いを馳せる。
彼らの目的は日本人が自然に踊れるようになるということだろう。腕を上げてただジャンプするのではなく、体が自分の意思と関係なく胸の奥から湧き上がるリズムに踊らされる、そんなクラブミュージック、ダンスミュージックのようなことを定着させたいのだろう。その為には物販で商品を買ってもらえないと利益がないと、利益を考えない山口一郎はMCで発言していた。
サカナクションのライブは照明、スピーカーの数がほかのライブと比べると多い。一般のライブだとステージと横にスピーカーがあり音が出るのだけれど、後ろにもスピーカーがあり音に囲まれる。この体験は脳を刺激して、小さなクラブでなければ体感しにくいであろう快感を味わえた。
とあるメディアでの発言では、二十年後の人たちがサカナクションをどう聴くかということに興味を持っているようだった。
サカナクションで音を浴びる体験ができたように、未来の人たちが踊れと言われずとも、自然に踊れるようになっていると良いと思う。