北海道、東京、現在、未来
2019年、サカナクションが漸くアルバムをリリースした。六年ぶりにアルバムが出たのだ。六年ぶりだからか六年ぶりなのにかは分からないが、二枚組のアルバムだ。
アルバムが出てからは精力的に様々なメディアで活動を続けているサカナクション。タイトルは北海道時代に使っていたスタジオから東京のスタジオを結んだ距離に由来している。そんなアルバムを聴きながら、彼らの目指していることに思いを馳せる。
彼らの目的は日本人が自然に踊れるようになるということだろう。腕を上げてただジャンプするのではなく、体が自分の意思と関係なく胸の奥から湧き上がるリズムに踊らされる、そんなクラブミュージック、ダンスミュージックのようなことを定着させたいのだろう。その為には物販で商品を買ってもらえないと利益がないと、利益を考えない山口一郎はMCで発言していた。
サカナクションのライブは照明、スピーカーの数がほかのライブと比べると多い。一般のライブだとステージと横にスピーカーがあり音が出るのだけれど、後ろにもスピーカーがあり音に囲まれる。この体験は脳を刺激して、小さなクラブでなければ体感しにくいであろう快感を味わえた。
とあるメディアでの発言では、二十年後の人たちがサカナクションをどう聴くかということに興味を持っているようだった。
サカナクションで音を浴びる体験ができたように、未来の人たちが踊れと言われずとも、自然に踊れるようになっていると良いと思う。