熱血系
ロボットで熱血アニメなのに戦わない主人公というのは、歌を主流とするマクロスならではでしょうかね。戦場にわざわざ出向いて歌ってるだけなんてそんな話が成立するのか?と思いました。
戦わない主人公バサラと戦う主人公ガムリン、この2人が役割分担をする事で何とか事なきを得てる感じですね。回避力ステータスがMAXでも戦場に無防備で行くなんて死にに行くようなもんですからね。ガムリンがいないと成立しない話です。なのにバサラはガムリンをガン無視して歌い続けるもんだから、なるほどこれは反感を買って当然でしょうな。序盤はそういった戦わない主人公というコンセプトに批判的な見方も強く、主人公に肯定的になり過ぎない所が割りと好印象ではあったのですが、それだけに掴みは弱いかなと思いました。でもまあ、話の大味さはさる事ながらこういうノリは結構好物ではあるんですよね。「細かい事はどうでもいいがとりあえず俺の歌を聞きやがれぇぇぇえ!!」的なノリで、脳筋音楽アニメ(何だそれは?)と言ってもいい作りになってるのですが。多少の荒さを許容できる方なら、割りと楽しめるのではないかと思います。
1~2クール前後の話はスローテンポな上、作画は使い回しが多く、話を牽引する要素が主人公のバサラしかないように思えるのは結構な欠点だなと思いました。忍耐力がないと見るのが苦痛で、私もあわや断念しそうになりましたね。前半はほとんどカットするほうがいいでしょう。なので物語点はあまり高くないですが、後半からは面白くなっていきましたね。途中からはサウンドブースターという兵器も開発されてバサラ達も戦力になってくるのですが、正確には歌で敵を倒すのではなくバサラが起こす風が味方も敵も含めて変えていく。そういった風景を見る作品なので、熱血アニメなのに熱血アニメらしからぬ楽しみ方が出来ました。
サブキャラも、ガムリンをはじめとしてなかなかいい味出していましたね。敵キャラのデザインが性格も含めて個性的な面々だったんですが、設定上はとてつもなく恐ろしい存在なのにヘンテコなセンスのせいで恐怖よりも洒落っ気に富んでいて色々カオスでした。