本当に怖いものは何かを考えさせられるゲーム
ストーリーは主人公の男性・ジョエルがある日夜遅くに帰宅した所、愛する一人娘・サラが寝ずに帰りを待っており「誕生日プレゼント!」と腕時計をプレゼントされる仲睦まじい場面から始まります。しかしその夜中、外は一変し謎の寄生菌パンデミックが発生しており、ジョエルは弟のトミーと共に娘を連れ町の外へ逃げようとするも、助けを求めた筈の兵士に狙撃され娘を失ってしまいます。物語はそこから20年後の荒廃した世界に変わり、外の世界は「感染者」がうろつく危険地帯と化し、感染を逃れ生き延びた人々は「隔離地域」と呼ばれる軍に支配された場所での生活を余儀なくしていました。ある日、ジョエルは相方のテスと共に反乱軍の女性リーダーであるマーリーンから「この世界を救う鍵になる子」と言われる少女・エリーを取引先まで運ぶよう頼まれる事からゲームは始まります。
よくあるゾンビゲームとは違い「率先して戦う」「ゾンビ相手に銃を乱射する」というものではなく、いかに身をひそめ危機を回避するか、敵を欺いていくかといった事がメインで、空き瓶やレンガブロック等を投げて相手の気を逸らさせる、誘導するといった行動は、なかなかにリアリティがありやりごたえもあります。またストーリーもかなり濃厚で、感染者だけでなく、他の生存者から食料や武器を奪おうとする者や追い詰められ理性を失ってしまう者など感染者以外と対峙する場面も多く、その中には登場人物1人1人の立場や状況等も事細かに組み込まれていて現実味が高く、荒廃した世界で、本当に怖いものは何なのかを考えさせられるとても深いゲームです。