弱さをそのまま歌ったロックバンド
「ずっと忘れないでいるから」
これはMy Hair is Badの「復讐」という曲の一文だ。
こんな狂気じみた言葉をそのまま歌にしてしまっていいものだろうか。この曲を初めて聞いたとき自分はそう思った。こんなことを言ってしまったら、周りからどんな目で見られるか…。
彼らの曲はこのように素直な感情を歌ったものばかりで、嘘がない。常にド直球に心を打ちぬいてくる。
詩を書いているのはボーカルである椎木知仁。彼が作る曲は基本的に恋愛の曲が多い。
「彼氏として」「元彼氏として」「運命」「幻」
恋愛の中で起きる当たり前の日常を丁寧に切り取り、それに彼の使う独特の表現で、誰もが体験するであろう恋愛の悲しさや苦しみを綴っている。
そんな詩に彼の感情をこめて激しく歌い上げていく様子がまた心に響くのである。
・恋愛に疲れてしまった人
・世の中の不条理にいら立っている人
こんな人にMy Hair is Badをお勧めする。
多分聞いても救われたりはしないし、世界を変えるようなものでもないと思う。
しかし、自分の中のもやもやした気持ちは彼らが歌ってくれる。自分が言葉にできなかったものを歌い上げてくれる。
そういった意味で彼らは人々に寄り添っているのかもしれない。