笑いあり涙ありの、読みごたえがある作品です
1992年に連載が始まった少女漫画なので、少なからず絵に時代を感じてしまいますが、笑いあり涙ありの作品です。
高校受験を控えた主人公が、本の世界に吸い込まれ、その物語の登場人物となります。
その本は昔の中国に似た世界の話で、中でも4つに分かれた国同士の国交事情に主人公が関わることになります。
その中で、様々なキャラクターと出会い、恋をしたりされたり、仲間になったり敵対したりという物語です。
中でも一番の魅力は、登場するキャラクターが命を懸けて主人公のために敵と戦うところです。
中には亡くなってしまうキャラクターもいます。味方も敵もです。
敵の亡くなるシーンでさえ、考えさせられるものがあります。敵には敵の正義があるからです。
その部分をしっかりと描きながら、主人公の成長を描いている漫画です。
読み手も共感したり、考えたりすることができる作品です。
キャラクターの性格がしっかりと確立されていて、キャラクター同士の掛け合いが面白いという点も魅力的です。
それによる笑いを誘う場面も多数あり、シリアスばかりに偏らないため読みやすく、入り込みやすくなっています。
また、漫画の合間にある、作者のフリースペースも充実しています。
作品に関する作者の想いを書いたり、ストーリーをもじった遊びを表現したりするために使われています。
そのようなところまで目を通すとさらに読みごたえがあり、より作品を楽しむことができます。