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小さな部屋より外の世界が怖いこともある
実際にあった監禁事件をモデルにした作品です。小さな部屋に女性とその息子が住んでいます。母親は高校生の時に誘拐、監禁され、子供はその誘拐犯との間にできた子供。
前半はその親子が、監禁された部屋から脱出するため試行錯誤する様子が描かれ、後半は脱出後の親子や、その周りの人たちが困惑しながらも親子を受け入れようとする様子が描かれます。
誘拐犯との子供でも、女性が母親として息子を大事に思う気持ちが伝わってきました。部屋にいる間に行われる運動。小さな部屋でも、子供にできる限りの筋力をつけさせようとする愛を感じました。
部屋にいる間、息子を必死に守り育てようとしていた女性が、部屋からの脱出後自分の母親がパートナーと仲良く生活していた様子や、誘拐時の同級生の写真、自分の報道などで次第に心のバランスが崩れている様子がとても痛々しかったです。
子供の演技も上手でした。部屋で生まれ部屋が世界の全てだった息子が、外の世界を怖がる様子、心身のバランスを崩していく母親への気持ち、初めての友達…。外の世界を通して、精神的に成長していく様子が本当にうまく表現されていました。
この親子がその後どんな人生を歩んでいくのか、続編が見たくなる映画です。