奥が深い作品
「圧倒的ストーリーの面白さ」読者、視聴者の裏をかく、良い意味で裏切られる、というプロットはやりすぎるとうざいのですが、この作者は本当に天才なので、そのやり方がとにかく計算されていて、あぁ面白っ!!という風になります。「声優の演技」下手では通じない、危機迫る世界観。自分の大切な人が生きたまま食べられる。エレン役の梶裕貴さんの演技からは、少年ボイスなのに、深い怨念、断固とした決意、意志、が感じられます。キャラの濃い人たちが多い作品ですが、声優さんたちが上手く命を吹き込み、キャラ立ちを助けています。また、この作品に多く見られる絶望ボイスも必見。「作画」原作で多少分かりづらかった動きが躍動感溢れるアクションシーンに昇華。作画、声優、ストーリー、と三拍子そろった完璧なアニメ作品。「音楽」サントラが素晴らしい。巨人の脅威、立体機動装置の跳躍感、絶望的局面、悲哀に満ちた曲、世界のロマンと神秘のテーマ、などなど、どの曲を切り取っても美しく、作品全体の完成度を上げています。特に、文字通り、進撃の巨人のテーマ曲とも言える、‘Attackontitan‘からは巨人の脅威と「全ての巨人を駆逐する」というエレンの強い意思が伝わってくる、闘志に火がつき、士気が高まる作品です。ボーカル曲‘TheReluctantHeroes‘‘CallYourName‘もおすすめ。人間が生きて声を発する状態で「不快」の権化とも呼ぶべき容姿の巨人に食い散らかされるというグロテスクな描写が多くあり、その手の表現が苦手な方にはもちろんおすすめできません。ただ、そんな事されて、許せない、「ぶっ殺したい」という気持ちになれる人なら、主人公のエレンや、調査兵団の仲間達に共感し、激しく感情を揺さぶられながら、物語を深く楽しむことが出来ると思います。