エヴァンゲリオンが起こした犯罪。
いきなり会ってなかった父親に突然呼び出され、謎のロボット《エヴァンゲリオン》に乗ることになってしまう碇シンジ。架空の近未来都市である第三新東京市に《使途》と呼ばれる敵が攻めてくる。精神が錯乱してしまう状況下でシンジは綾波レイの傷ついた姿を見てエヴァに乗る決意をする。自分自身を好きになる、肯定するなど、一見シンプルに感じる普遍的なテーマが実に鮮明に描かれている。
物語の後半はある意味で自己啓発セミナーを受けているような感覚にも陥る。ゼーレの進める《人類補完計画》とは一体何なのか!?そして、僕たちニンゲンは何のために生きているのか。ここまでこんな根源的な生物のテーマを取り扱ったアニメーションはなかったかもしれない。がしかし、そこまで踏み込んだからこそエヴァはこれほどまでにブームになったのだと思う。実際には現代人はこんな哲学的なテーマが好きなのである。
エヴァには思春期の十四歳の子供たち、チルドレンが乗っている。そもそもエヴァはロボットではない。ニンゲンをかたどって巨大化しただけの、血の通った生物なのである。その凶暴性を装甲に見える拘束具で抑えている。エヴァが倒した使途の肉を貪り喰うシーンはあまりにも強烈だった。