頭フル回転の頭脳戦
この『ようこそ実力至上主義の教室へ』はその名の通り、実力主義の学校で頭脳戦を駆使して勝ち上がっていく作品だ。
AからDまであるクラスの中で、Aクラスが一番優秀なクラスで、Dクラスが一番不出来なクラスである。Aクラスはその地位を維持するため努力し、A以下のクラスは上位クラスに上がれるように奮闘する。主人公である綾小路清隆はDクラスに振り分けられる。同じクラスである堀北はAクラスに上がろうとするのだが、綾小路はAクラスに上がることに対して関心がない。その割に、策略を考え、根回しをし、堀北を手助けする綾小路。
この作品の魅力は綾小路の得体の知れないところにある。入試ではすべての科目でオール50点を獲得し、武才があり、頭が回る。しかし、表に出て行動することはなく、裏でひっそり気づかれないように行動する。綾小路の助けに感謝しつつも徐々に得体の知れなさに気づいていく堀北。純粋にAクラスに上がることを目指している堀北にとって、綾小路という人物は最高の頼り相手であると同時に、最大の脅威になり得るかもしれない存在なのだ。何を考えているのかわからない以上、完全に信頼することはできない。あらゆる出来事、行動に対し意味があるのかと考えながら読みすすめていくのがおススメ。