定期的に観たくなる映画「アメリ」の魅力
フランス映画『アメリ』を初めて観たのは、おそらく高校生の時。もうかれこれ十数年も前である。それ以来、定期的に観返したくなる映画の一つとなっている。
主人公のアメリが、パリ・モンマルトルを舞台に、不器用な自分と向き合いながら、カフェでの仕事や恋に奮闘するお話で、映画のキャッチコピーは「幸せになる」。
小さな時から、人と関わることが苦手なまま大人になったアメリと、個性豊かながらも人間味あふれる周囲の人たちとのやりとりにほっこりとさせられる。
アメリが仕掛ける「小さないたずら」のおかげで、周りの人たちの日常が少しずつ巡り始めるのだが、アメリは自分のこととなると、なかなか踏み出すことができない。
そんなアメリに、もどかしくなりながらも、「初めの一歩って、そうそう簡単に踏み出せるものではないよね」と感情移入させられる。
物語の途中、アメリは、誰かが捨てた失敗した証明写真を集めることが趣味のニノに恋をし、その行く末が軸となるのだが、不器用ながらも純粋な二人のやり取りも、気付くと画面のこちら側で一生懸命応援しているのだ。
また、花の都パリらしく、色彩豊かでおしゃれな衣装や美術を観るだけでも、充分楽しむことができる映画である。
ぜひご覧いただきたい映画の一つだ。